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アーカイブ サンデー毎日 倉重篤郎のニュース最前線 2026/01/09 倉重 篤郎
倉重篤郎のニュース最前線 寺島実郎の2026年新春メッセージ 国民よ、「与えられる民主主義」から「支える民主主義」へ転換せよ
2026年をどう展望するか? 揺らぐ日米中関係と世界秩序の液状化、日本外交の対応力欠如、不透明な経済政策と国民生活困窮…難題ばかりが目前に山積しているが、私たちが平和と活力を取り返すための構想とは何か?「全体知の思索者」寺島実郎氏が提示する。
民主主義不在/「責任ある積極財政」の無責任/外交策の自己矛盾
その予見性で定評のある英国ロンドンの『エコノミスト』誌の新年展望には、「新しい世界秩序の鮮明化 トランプ2・0後の展開」とある。
また、トランプである。振り返ると、17年のトランプ第1期政権のスタート時が「プラネット・トランプ(彷徨(さまよ)えるトランプ この星の運命はこの男で左右される不透明)」であり、トランプが再選した25年は「トランプ、技術、そして不透明」だった。26年もまたトランプが世界の運命を握るとの予測である。
編集者トム・スタンデージの冒頭論文は、10項目にわたりテーマとトレンドを簡潔に叙述している。それによるとこうだ。建国250年を迎える米国では、11月に中間選挙が行われるが、民主党が下院を押さえても、トランプの弱者いじめ、関税、大統領令頻発政治は変わらないだろう。世界は米中の2大ブロック対立になるか、あるいは、ロシアも入れた3圏域に分かれ、3者が好き放題に影響力を行使する、との地政学的見方があるが、いずれも当てにしない方がいい。トランプは本能に任せて行動するだけで、世界を支えていた旧来型秩序はさらに漂流、腐朽していくだろう。
また曰(いわ)く。ロシアと中国は、北欧や南シナ海で、微妙な挑発行為をすることで、米国の同盟国に対する防衛約束を試すようなことをしてくるだろう。平和と戦争を隔てるラインがぼやけ、北極や宇宙や海上やサイバー空間での緊張が高まるだろう。中国は、デフレ、低成長といった問題も抱えているが、トランプの「米国ファースト」政策のお陰で、国際的な影響力を増しており、今後は特に、グローバルサウス諸国に頼りになるパートナーとして振る舞うだろう。云々(うんぬん)である。
いずれも興味深い指摘である。米中間選挙がどうあろうと、地球というこの惑星のさらなるトランプ化は避けられず、第二次大戦後の世界秩序、ルールは解体を余儀なくされる。トランプの米国ファーストによって、逆に中国が米国に代わり国際的な影響力を強化しつつある、というのもその通りであろう。そのパワーアップした中国が日米同盟を試すような動きに出る可能性があるとの見立ても、高市早苗首相の台湾有事発言以降、日中関係の悪化に直面する我々にとっては、重要な示唆として映る。
さて、ここからは寺島実郎氏(日本総合研究所会長、多摩大学長)の登場だ。
これらの世界予測を踏まえ、26年の日本の政治、経済がどうなるか。どうあるべきなのか。全体知の観点から語っていただく。毎年恒例の企画だが、今回は…
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