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    アーカイブ サンデー毎日 倉重篤郎のニュース最前線 2025/03/01 倉重 篤郎
    田原総一朗が斉藤鉄夫公明党代表に迫る 公明党は連立離脱して政権交代を目指せ
     四半世紀にわたる自公連立。この枠組みによって、平和と人権を掲げる公明党の野党性は消失したという批判と、与党内野党としての良心だとする評価がある。いまこそ公明党は政権交代のために動くべきと主張する田原総一朗が斉藤鉄夫代表を直撃、その存念を確かめた。
    与党ボケ批判は真摯に受け止める
     どんな仕組みにも“耐用年数”というものがある。
     では自公連立政権はどうか。1999年にスタートして早(は)や四半世紀。自民党が参院で過半数を割った際に、政局の安定化を目的に成立した枠組みだが、昨年10月の衆院選では裏金問題の逆風の中、自公足しても過半数に足らず、限界が露呈した。自民党の右寄り体質やダーティーな部分を公明党が権力の内側から正す、とした連立の理念も、安倍晋三政権以降の一連の軍拡路線、政治とカネにおける法令違反の顕在化によって、色褪(あ)せてきた感がある。
     衆院選惨敗を受け、もし公明党が「裏金問題でこれだけ国民の批判を浴びた政党とは一緒にやっていけない」と連立離脱していたら? そのインパクトは計り知れず、11月11日の首班指名(決選)投票結果が変わっていた公算が大だ。石破茂氏は221票から公明分24票が引かれ197票に。一方で野田佳彦氏160票には、維新38票、国民民主28票などが加わることで、野田連立政権が誕生していた可能性がある。
     冷戦崩壊後の日本政治は、自民党と非自民勢力による公明党の取り合いだったという見方がある。55年体制が壊れ、自民党が単独過半数を取れなくなってからは、公明党がついた方が勝ち組になる、というものだ。ただ、これも昨今の公明党の集票力の衰え(2005年衆院選898万票→22年参院選618万票→24年衆院選596万票)、支持母体である創価学会員の高齢化、カリスマ名誉会長だった池田大作氏の死去(23年11月)で、変わり目にある。
     公明党は一体どこに行くのか。ジャーナリストの田原総一朗氏が斉藤鉄夫代表に迫った。田原氏は池田氏にも取材、『創価学会』(毎日新聞出版、18年)、『公明党に問う この国のゆくえ』(同、20年〈共著〉)などの著書もある。
       ◇
    田原 衆院選では公明党も惨敗(32議席→24議席)、石井啓一前代表も落選した。
    斉藤 正直に申し上げて、一つは連立政権ということで自民党の不祥事の煽(あお)りを受けた。もらい事故の要素がある。もう一つは、自民党も公認しなかった自民候補2人に公明が推薦を出したことだ。クリーンの看板に傷がついたと思われた。
    田原 なぜ推薦した?
    斉藤 公明党と深い選挙協力にあった。ただ、これに対し大変厳しい声が党内にも上がった。
    田原 裏金問題は国民の政治不信を決定的にした。自民党はその体質を自力では直せないと思う。
    斉藤 私たちは自民党に対しきちんと裏金問題の真相を解明し、国民から再び信頼される政党になるよう自浄能力を発揮すべきだと何度も申し上げた。
    企業・団体献金廃止よりも透明化を
    田原 僕は一度政権交代し、自民党内の政治とカネの文化を変えなければ駄目だと思う。それができるのは公明党だ。自民が改革して良くなればまた組めばいい。
    斉藤 あっち行ったり、こっち行ったりはできない。
    田原 政治というのはあっちこっち行くものだ。
    斉藤 国民から信頼を失う。今はともかく自民党に自浄能力を発揮してもらいたい。
    田原 できるわけない。現に石破さんはいろいろいいことを言っていたが、総理になって変わった。少数与党のうえ自民党内の足場がないから自説を押し通せない。政権交代しないと自民党は抜本的に変えられない。
    斉藤 私の今の立場で田原さんのおっしゃる通りですとは言えない。
    田原 公明党頑張れ、という趣旨だ。この国を良くするために。良くなった自民と再び政権を組めばいい。
    斉藤 それができるかどうかという問題もある。1993年に細川護熙(もりひろ)政権ができて、自民は野に下ったが、社会党が手助けして1年で政権復帰した。もし野党のままだったら自民党という政党は崩壊したかもしれないと感じている。2009年からの民主党政権下では3年余り自公で野党をやったが、おこがましい言い方だが、公明党がついていたから自民党が壊れなかった。毎週、自公で幹事長、国対委員長、政調会長会議をやって、民主党政権にどう対峙(たいじ)するか議論を重ねた。その意味では、また野党になって公明党が離れたら自民党がなくなる可能性がある。なくしてしまっていいのか、という気もする。
    田原 なくなったら困る?
    斉藤 自民党はなお良質な保守に支えられている、という側面も強調したい。地域回りして実感する。そういう方々がいたから日本もここまで来たのかなと。
    田原 良質の保守とは?
    斉藤 地域の繁栄と平和を求める良識のある人たちだ。地域にあって多様な意見を聞き、社会をまとめていく人たちだ。根っこには…



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