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アーカイブ 国際観光施設協会 コラム 2012/10/01 佐野 桃子
佐野桃子の観光インタビュー マーサ・スチュワート(Martha Stewart Living Omnimedia社 創立者・Chief Creative Officer)
Martha Stewart さん経歴(米国ニュージャージー州生まれ)URL:http://www.marthastewart.com/ 1982年 “Entertaining”(家庭のおもてなし)を発刊。今日に至るまで30回増刷1990年TIME Publishing Ventures社 と一緒に雑誌Martha Stewart Living を創刊1992年 番組 Martha Stewart Living の制作・放映開始 1994年 雑誌 Martha Stewart Weddings を創刊 1997年 Martha Stewart EverydayのプロダクトラインをK-martで販売開始1999年Martha Stewart Living Omnimedia社NY証券取引所で上場開始2003年雑誌 Everyday Foodを創刊 2004年 雑誌Body & Soulを買収。後にWhole Livingと名称変更2005年番組Martha Stewart Showの制作・放映開始 2007年 Martha Stewart CollectionのプロダクトラインをMacy'sで販売開始2012年新番組American Cooking School の制作・放映開始予定(10月5日予定)
Q私がマーサに初めてお会いしたのは1989年、マーサが雑誌ビジネスを始める前でしたから、かれこれ23年前になりますね。
マーサ: そんなになるかしら? 二人とも若かったわね!笑
Q今日は少し、旅行や観光についてマーサが思っていることを聞かせてください。マーサは旅行が大好きで、マーサのビジネスには多くの旅行関係企業がスポンサーになっていますね?
マーサ: ええ。月1度は必ず旅行しているのではないかしら?雑誌でもテレビでも旅行を皆さんにお勧めしていますから、自然に旅行関係の会社が広告を出してくれています。 今回もモロッコ旅行から帰ってすぐに日本に向けて出発したのですよ。
Qなぜ、そんなに旅行が好きで、旅行はとても良いと思っているのでしょうか?
マーサ: 桃子には前に何度も話していると思うけれど、わたしはとても好奇心が強いの。 好奇心が満たされれば、とても幸福だし、また次の好奇心がどんどん湧いてきます。 人間の幸福感につながる大切なものが好奇心だと思います。旅行に出て、今まで知らなかったものを見たり、聞いたり、触ったり、味わったりしたら好奇心がとても満たされます。大学で建築史を勉強したので、歴史にも建物にも、そしてデザインにもとても興味があります。レンゾ・ピアノがデザインした銀座エルメスのビルはとても気に入っていて前にゆっくり見学しましたが、その周りに同じように素敵なビルがたくさん建ってとても驚きました。新しいものを見つけること、そして好奇心が満たされ、幸せと感じることが、旅行の一番の醍醐味ではないでしょうか。これからもっと豊かな社会が実現していくとしたら、旅行は、とても大切な時間とお金の使い道になってくると思いますよ。もっと旅行にお金をかけるようになるでしょうし。良い施設も必要となり、観光ビジネスももっと繁栄すると思います。
Qところで今回はインテリアライフスタイル展のスポークスパーソンとして来日なさったと聞きましたが、この展示会はどのようなものですか
マーサ: インテリアライフスタイル展はドイツのフランクフルトで開催される世界最大の消費財見本市である「アンビアンテ」と家庭用業務用のテキスタイル見本市である「ハイムテキスタイル」を合体して東京で開催したものと聞いています。ハイエンドなインテリアデザインのショーケースとでも言ったらいいでしょうか。日本的な美意識に基づいた展示がたくさんあって、とても刺激になりました。古くからある素材やすでに昔からある物に新しいデザインを加えた革新的なプロダクトに感激しました。特に、木板や畳や和紙や薄いガラスや麻などの日本的な素材は、どれも私の大好きなものです。
アンビアンテと比べるとまだ規模は小さいですが、以前に比べると来場者もぐっと増えてきたと聞いています。主催者である「メサゴフランクフルトメッセ社」が細かいところにも気を配り、日本人の美意識にきちんと答えるように努力しているのがよく解りました。
デザインに興味のある人たちにぜひ見ていただきたい見本市です。http://www.interior-lifestyle.com/2012/pdf/pressrelease120606_jp.pdf(このページは、2024年11月時点では存在しない)
Q旅のテーマに戻りますが、マーサのビジネスの中で、旅行や観光がどのように 置づけられているか教えてください。
マーサ: 定期刊行物を4誌もっていますが、その中でもWeddings誌は一番旅行に関係があります。挙式やパーティのロケーションとハネムーンを一緒にしたのがDestination Weddingだと分析できると思います。参加者の人数は限られてしまうけれど、大切だと思う人たちとゆっくり過ごすことができます。一度Weddings 誌でDestination Wedding の特集をしたら、評判が良く、反響があまりにも大きかったので、今では年に1度、Destination Wedding とハネムーンをテーマとした特集号を出しています。
Martha Stewart WeddingsのTravel Special号(右は最新版)
Q本当にきれいな雑誌ですね。わたしも一番楽しみにしています。リゾート記事も多く、旅行の注意などもコンパクトに書かれていて旅行ガイドにもなります。また、実際の海外挙式の紹介真はとても美しく、夢とイメージを与えてくれます。 未婚の女性なら、だれでもこの雑誌を見ると海外挙式にあこがれてしまうと思います。
マーサ: また、夏にはMartha Stewart Living本誌でも必ずTravelの特集を組みます。 今年の8月号でも旅行特集の中で、私のホテル選びのチェックリストなどを発表しています。
マーサ: まず、きちんとした挨拶で迎えられること。ベルマンが注意深いこと。部屋が清潔であること。本当に寝るだけというときもありますね。そんな時はスイートなどの広いスペースは不要ですが、掃除が行き届いて清潔であることがなによりも大切です。 ベッドが快適でしっかりとしていて、シーツは真っ白。枕元にミネラルウォーターが無料で提供されているかどうかも大切なチェックポイントですよ。 窓からの景観が良く、自分で窓を開けることができるのも条件です。
Q窓の開かない部屋にマーサを泊めて怒られたことを思い出すわ!!笑
マーサ: 最上階にプールがあるのも最近は条件にしています。あと、正確で早いルームサービス。正確に聞き取らずに、全く違うものを持ってくるなんて最低ですが、よくあることなのよ。お風呂のシャワーは手に取ることができるタイプが絶対私には必要だし、案内されて部屋に入ったときにカーテンが全開されていて、広々とした眺めがあることが絶対条件!!
マーサ: 今度日本でもディズニーがやっている DlifeBSチャネル(BS258 無料放送局)で「Martha Stewart Show」の放映が始まりましたが、そのShowの中でも時々Martha's Travel Tipsと題して私の旅行の体験と旅をより快適にするアドバイスを紹介しています。
Qマーサのプラハ旅行のTravel Tipsを見ましたが、マーサの愛用のキャノンのカメラを大小2台も紹介してくださっていましたね。
マーサ: あのエピソードが放映されてから、それらのカメラがとてもよく売れているんですって、NY のキャノンの方がとても喜んでいました。笑
Qこれからも日本の製品をよろしく。そして、日本にまた来てくださいね。
マーサ: 週に2・3回は日本食を食べて日本を身近に感じています。また来ますね。
インタビュー後記にかえて Dlife のホームページのマーサの番組紹介を引用します。 Martha Stewart Show カリスマ主婦として一大ブランド帝国を築いたマーサ・スチュワート。その洗練された テイストが随所にちりばめられた贅沢なライフスタイル提案番組。扱うテーマは、マーサ 自慢のレシピやおもてなしの極意のほか、様々な手作りの楽しみ方やガーデニングまで、 実に幅広いジャンル。一流シェフやデザイナー、人気作家など各界話題のセレブが毎回ゲスト 出演。マーサ流コーディネートで今日からあなたもワンランクアップの優雅な日常を!
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