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アーカイブ やぶ睨み「ネット社会」論Ⅱ 2021/02/25 内海 善雄
接触アプリ(COCOA)の不具合が何か月間も放置され、結局、何の役にも立っていなかった。呆れてものも言えない不始末だが、この不祥事に対する政府の措置も、はなはだ的外れであると思う。
平井IT担当大臣が、「ITに弱い厚労省では無理で、ディジタル庁で引き受ける」そうだが、事の本質は、技術力があるかどうかの問題ではない。要は、活用する意思があるかどうかの問題である。
感染者と濃厚接触したものを発見し、感染のリスクが高いことを知らせる目的で開発されたアプリだが、なに故か、厚労省は通知が来た者にPCR検査を優先的に受けさせるようなことは一切せず、放置しつづけた。通知を受けた者は途方に暮れるだけである。厚労省には、このアプリを活用して感染者をいち早く発見して、拡散を防ぐという意識は皆無であったのだ。まったく理解に苦しむが、厚労省は元からこのアプリを活用する意思がなかったのである。
活用する意思がないから、不具合がありそうだという情報が入っても無視し続けることができたのであり、技術力がなくて分からなかったという問題では全くない。そもそもこのようなアプリは、開発した者か、ハッカーにでもなれるマニアックな者でなければその詳細は理解できない。例え技術に強いディジタル庁の役人でも自分ではフィックスすることはできない。仮に出来たとしても、厚労省が感染の拡大を防ぐために活用しなければ何の意味もない。
国民はもっと政府の怠慢を怒るべきである。マスコミは、コロナ対策の切り札であるこのアプリの意義をもっと解説し、怠慢な役人たちを追求すべきである。
PCR検査を積極的に進めない厚労省、世界一ベッド数が多いのに患者を受け入れられず自宅待機にする厚労省、そのくせエボラウイルス並みの取り扱いを止めない厚労省等々、いったい厚労省はどうなっているのか?
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