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アーカイブ やぶ睨み「ネット社会」論Ⅱ 2021/04/22 内海 善雄
なぜ非科学的で横暴な緊急事態宣言しかとれないのか?
第3次緊急事態宣言が発出されようとしている。政府は、「人との接触を回避する以外にコロナ対策はなく、経済活動や教育などに支障があっても緊急事態宣言で人の集まるところを閉鎖するしか方法がない」と考えているのである。医師会やいわゆる専門家も、「コロナ感染拡大を防止するにはこれしか方法がない」として、口をそろえて「早く緊急事態宣言を出さなければならない」と主張する。
しかし、本当にこれしか方法がないのだろうか? そもそも伝染病対策は、ひとえに感染者を隔離して病原体との接触を避けること、そして、ワクチンの接種等の免疫力の強化である。
しかるに、PCR検査を限定的にしか実施せず、感染者を市中に拡散させたのはなぜだ? 感染していても、自宅療養を強制して家庭感染を拡大させたのは誰だ? 接触アプリ(COCOA)を開発しても不具合を放置したばかりか、感染者との接触が判明しても通知せず、あるいは通知した者にPCR検査をさせないなど、活用する意思がないのはなぜか? 地方自治体では、レストランなど人の集まる場所に「接触通知システム」を設置しても、その利用を喧伝せず、全く活用されてない。なぜだ?
ワクチン接種は、先進国間で一番遅い。老人でさえ全員に接種できるのはオリンピックの後だというから、呆れかえる。
ワクチン接種を急ぐ方策を取ったイギリス、IT技術を活用して徹底的に接触者を割り出してPCR検査を行い、陽性者を隔離した中国や韓国、台湾などの近隣諸国、それぞれ科学的に有効な手段を徹底的に活用してコロナ押さえ込みに成功している。
日本の政府や専門家は、なぜこのような科学的な考え方を取らず、感染力のある者をいたずらに放置して、人口の1%にも満たないその者との接触を回避するためにすべての人との接触をストップさせるような非科学的で横暴な手段をとるのだろうか。このような手段は、まだまだ準備が整えられない昨春は致し方なかったが、すでに一年以上も経っているのである。その間、日本はなんの学習もしてないではないか。
構築した接触アプリ(COCOA)や、自治体の接触通知システムを最大限に活用して、接触者を発見し、その者たちのPCR検査を徹底し、感染者は隔離するということこそを、コロナ対策の中心にするべきである。そのためにディジタル担当大臣や厚生労働大臣がいるのである。緊急事態宣言しかださないコロナ対策大臣は不要なのだ。
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