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アーカイブ やぶ睨み「ネット社会」論Ⅱ 2022/03/26 内海 善雄
バイデン大統領は26日、ワルシャワでのスピーチで、終了間際に、プーチン大統領について "For God's sake, this man cannot remain in power."(この男が権力の座にとどまるなんてことは、とんでもないことだ。)と発言した。ロシア政府は、直ちに「内政干渉だ」と反発し、ホワイトハウスは、「ロシアが隣国に力を行使してすることは許されないという意味だ」との文書を出すなどして火消しに走った。
確かに、相手国政府の正統性を疑問視するような内政干渉をすれば両国間の関係は悪化する。平常時にはやってはならない外交の基本原則だろう。しかし、今日のプーチンに対する世界の目はどうだろうか?
ウクライナ侵攻自体が国際法違反の重要な犯罪である。そのうえ、住居や病院を無差別に爆撃し、民間人を何万人も殺戮している。人道的な避難回廊をも爆撃して住民を避難させない。そしてウクライナ軍の強い抵抗にあって思い通りにならない戦況に対して、生物化学兵器や核の使用をチラつかせ、西側を震え上がらせている。狂人としか思えないような極悪非道な権力者である。情報統制とプロパガンダで真実を知らない自国民からは支持されているようであるが、世界中の人々は、なんとかプーチンを権力の座から引きずり落とさなければ、ウクライナの悲劇は終わらないばかりか、第3次世界大戦が起きるのではないかと不安に思っているのではないだろうか。
バイデンは、プーチンに圧倒され続けであるが、とうとう犬のとう吠えのように世界中の人たちの気持ちを代表して本音を吐いてくれた。しかし、即座に取り消すような弱腰ぶりをさらけ出すようでは、プーチン優勢はしばらく続くだろう。
最近の日本の学者や評論家たちの発言は、「プーチンを追い込んではならない。逃げ道を作らねばならない。」と、一辺倒だ。しかし、これには違和感を覚える。
「もし、ウクライナで核を使用したならば、クレムリンとプーチンの隠れ家に核を使用して報復する」というぐらいの勢いがなければ、プーチンの暴走を阻止できないのではないか? そして、その後、落としどころを提供するということではないか?
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